【2022】A101 療養病棟入院基本料
A101 療養病棟入院基本料(1日につき)
1 療養病棟入院料1
イ 入院料A 1,813点(健康保険法第63条第2項第2号及び高齢者医療確保法第64条第2項第2号の療養(以下この表において「生活療養」という。)を受ける場合にあっては、1,798点)
ロ 入院料B 1,758点(生活療養を受ける場合にあっては、1,744点)
ハ 入院料C 1,471点(生活療養を受ける場合にあっては、1,457点)
ニ 入院料D 1,414点(生活療養を受ける場合にあっては、1,399点)
ホ 入院料E 1,386点(生活療養を受ける場合にあっては、1,372点)
ヘ 入院料F 1,232点(生活療養を受ける場合にあっては、1,217点)
ト 入院料G 968点(生活療養を受ける場合にあっては、953点)
チ 入院料H 920点(生活療養を受ける場合にあっては、905点)
リ 入院料I 815点(生活療養を受ける場合にあっては、801点)
2 療養病棟入院料2
イ 入院料A 1,748点(生活療養を受ける場合にあっては、1,734点)
ロ 入院料B 1,694点(生活療養を受ける場合にあっては、1,680点)
ハ 入院料C 1,406点(生活療養を受ける場合にあっては、1,392点)
ニ 入院料D 1,349点(生活療養を受ける場合にあっては、1,335点)
ホ 入院料E 1,322点(生活療養を受ける場合にあっては、1,307点)
ヘ 入院料F 1,167点(生活療養を受ける場合にあっては、1,153点)
ト 入院料G 903点(生活療養を受ける場合にあっては、889点)
チ 入院料H 855点(生活療養を受ける場合にあっては、841点)
リ 入院料I 751点(生活療養を受ける場合にあっては、736点)
注1 病院の療養病棟(医療法第7条第2項第4号に規定する療養病床(以下「療養病床」という。)に係る病棟として地方厚生局長等に届け出たものをいう。以下この表において同じ。)であって、看護配置、看護師比率、看護補助配置その他の事項につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者(第3節の特定入院料を算定する患者を除く。)について、当該基準に係る区分及び当該患者の疾患、状態、ADL等について別に厚生労働大臣が定める区分に従い、当該患者ごとにそれぞれ所定点数を算定する。ただし、1又は2の入院料A、B又はCを算定する場合であって、当該病棟において中心静脈栄養を実施している状態にある者の摂食機能又は嚥下機能の回復に必要な体制が確保されていると認められない場合には、それぞれ1又は2の入院料D、E又はFを算定し、注3のただし書に該当する場合には、当該基準に係る区分に従い、それぞれ1又は2の入院料Iを算定する。
2 注1に規定する病棟以外の療養病棟については、当分の間、地方厚生局長等に届け出た場合に限り、当該病棟に入院している患者(第3節の特定入院料を算定する患者を除く。)について、特別入院基本料として、577点(生活療養を受ける場合にあっては、563点)を算定できる。
3 療養病棟入院基本料を算定する患者に対して行った第3部検査、第5部投薬、第6部注射、第7部リハビリテーション(別に厚生労働大臣が定めるものに限る。)及び第13部病理診断並びに第4部画像診断及び第9部処置のうち別に厚生労働大臣が定める画像診断及び処置の費用(フィルムの費用を含み、別に厚生労働大臣が定める薬剤及び注射薬(以下この表において「除外薬剤・注射薬」という。)の費用を除く。)は、当該入院基本料に含まれるものとする。ただし、患者の急性増悪により、同一の保険医療機関の一般病棟へ転棟又は別の保険医療機関の一般病棟へ転院する場合には、その日から起算して3日前までの当該費用については、この限りでない。
4 当該病棟に入院している患者のうち、別に厚生労働大臣が定める状態のものに対して、必要な褥瘡対策を行った場合に、患者の褥瘡の状態に応じて、1日につき次に掲げる点数を所定点数に加算する。
イ 褥瘡対策加算1 15点
ロ 褥瘡対策加算2 5点
5 当該患者が他の保険医療機関から転院してきた者であって、当該他の保険医療機関において区分番号A246に掲げる入退院支援加算3を算定したものである場合には、重症児(者)受入連携加算として、入院初日に限り2,000点を所定点数に加算する。
6 当該病棟に入院している患者のうち、急性期医療を担う他の保険医療機関の一般病棟から転院した患者及び当該保険医療機関(急性期医療を担う保険医療機関に限る。)の一般病棟から転棟した患者については、転院又は転棟した日から起算して14日を限度として、急性期患者支援療養病床初期加算として、1日につき300点を所定点数に加算し、介護老人保健施設、介護医療院、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム等又は自宅から入院した患者については、治療方針に関する患者又はその家族等の意思決定に対する支援を行った場合に、入院した日から起算して14日を限度として、在宅患者支援療養病床初期加算として、1日につき350点を所定点数に加算する。
7 当該病棟においては、第2節の各区分に掲げる入院基本料等加算のうち、次に掲げる加算について、同節に規定する算定要件を満たす場合に算定できる。
イ 地域医療支援病院入院診療加算
ロ 臨床研修病院入院診療加算
ハ 紹介受診重点医療機関入院診療加算
ニ 在宅患者緊急入院診療加算
ホ 診療録管理体制加算
ヘ 医師事務作業補助体制加算(50対1補助体制加算、75対1補助体制加算又は100対1補助体制加算に限る。)
ト 乳幼児加算・幼児加算
チ 超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算
リ 地域加算
ヌ 離島加算
ル HIV感染者療養環境特別加算
ヲ 療養病棟療養環境加算
ワ 療養病棟療養環境改善加算
カ 重症皮膚潰瘍管理加算
ヨ 栄養サポートチーム加算
タ 医療安全対策加算
レ 感染対策向上加算
ソ 患者サポート体制充実加算
ツ 報告書管理体制加算
ネ 病棟薬剤業務実施加算1
ナ データ提出加算
ラ 入退院支援加算(1のロ又は2のロに限る。)
ム 認知症ケア加算
ウ 薬剤総合評価調整加算
ヰ 排尿自立支援加算
8 別に厚生労働大臣が指定する期間において、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)第6条第7項に規定する新型インフルエンザ等感染症の患者及びその疑似症患者が入院した場合に区分番号A100に掲げる一般病棟入院基本料を算定する旨を地方厚生局長等に届け出た保険医療機関においては、当該患者について、注1の規定にかかわらず、区分番号A100に掲げる一般病棟入院基本料の例により算定する。
9 当該病棟(療養病棟入院料1を算定するものに限る。)に入院している患者のうち、当該保険医療機関において、区分番号J038に掲げる人工腎臓、J038-2に掲げる持続緩徐式血液濾過、J039に掲げる血漿交換療法又はJ042に掲げる腹膜灌流を行っている患者については、慢性維持透析管理加算として、1日につき100点を所定点数に加算する。
10 療養病棟入院料1を算定する病棟において、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者については、在宅復帰機能強化加算として、1日につき50点を所定点数に加算する。
11 注1に規定する病棟以外の病棟であって、注1に規定する療養病棟入院料2の施設基準のうち別に厚生労働大臣が定めるもののみに適合しなくなったものとして地方厚生局長等に届け出た場合(別に厚生労働大臣が定める基準を満たす場合に限る。)に限り、注2の規定にかかわらず、当該病棟に入院している患者(第3節の特定入院料を算定する患者を除く。)については、療養病棟入院料2のそれぞれの所定点数(入院料D、E又はFを算定する場合であって、心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料又は呼吸器リハビリテーション料を算定する患者に対して、機能的自立度評価法(Functional Independence Measure)の測定を行っていない場合には、それぞれ入院料G、H又はIの点数)の100分の75に相当する点数を算定する。
12 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者については、当該基準に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。
イ 夜間看護加算 50点
ロ 看護補助体制充実加算 55点
算定要件(通知)
(1) 療養病棟入院基本料は、「注1」の入院料及び「注2」の特別入院基本料から構成され、「注1」の入院料については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た療養病棟に入院している患者について、別に厚生労働大臣が定める区分(1日に2つ以上の区分に該当する場合には、該当するもののうち最も高い点数の区分)に従い、当該患者ごとに入院料A等の各区分の所定点数を算定し、「注2」の特別入院基本料については、届け出た療養病棟に入院している患者について算定する。ただし、「注1」の入院料を算定している場合において、患者の急性増悪により、同一の保険医療機関の一般病棟へ転棟する場合にはその前日を1日目として3日前までの間、別の保険医療機関の一般病棟へ転院する場合にはその当日を1日目として3日前までの間は、その日ごとに入院料Iを算定することができる。
(2) 当該保険医療機関において複数の療養病棟がある場合には、当該病棟のうち、回復期リハビリテーション病棟入院料等の特定入院料(病棟単位で行うものに限る。)を算定する病棟以外の病棟については、「注1」の入院料又は「注2」の特別入院基本料のいずれかを算定するものとする。
(3) 「注1」の入院料のうち、入院料Aから入院料Fまでのいずれかの算定に当たっては、定期的(少なくとも月に1回)に患者又はその家族等に対して、当該患者の病状や治療内容等の入院療養の状況及び各区分への該当状況について、別紙様式2又はこれに準ずる様式により作成した書面又はその写しを交付のうえ十分な説明を行うとともに診療録に添付すること。また、やむを得ない理由により説明を行うことが困難な場合であっても、患者又はその家族等の求めに応じ、当該書面又はその写しを交付するとともに診療録に添付すること。なお、患者又はその家族等への説明に当たり、特に悪性腫瘍等の患者に対しては、患者本人の治療方針に関する理解状況を踏まえ、療養上著しく不適切なことが生じないよう配慮すること。「注1」ただし書の療養病棟入院料1又は2を算定する病棟に入院する中心静脈栄養を実施している状態にある患者については、当該病棟において摂食機能又は嚥下機能の回復に必要な体制が確保されているものと認められない場合には、それぞれ1又は2の入院料A、B又はCの算定に代えて入院料D、E又はFを算定する。
なお、令和4年3月31 日において現に療養病棟入院料1又は2に係る届出を行っている保険医療機関については、令和4年9月30 日までの間に限り、摂食機能又は嚥下機能の回復に必要な体制が確保されているものとみなす。また、令和4年3月31 日において現に療養病棟入院料1又は2を算定している患者であって、医療区分3のうち「中心静脈注射を実施している状態」に該当しているものについては、当該患者が入院している病棟における摂食機能又は嚥下機能の回復に必要な体制の確保の状況にかかわらず、当該状態が継続している間に限り、医療区分3に該当する場合の点数を算定できる。
(4) 基本診療料の施設基準等別表第五に掲げる画像診断及び処置並びにこれらに伴い使用する薬剤、特定保険医療材料又は区分番号「J201」酸素加算の費用並びに浣腸、注腸、吸入等基本診療料に含まれるものとされている簡単な処置及びこれに伴い使用する薬剤又は特定保険医療材料の費用については療養病棟入院基本料に含まれる。なお、療養病棟入院基本料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、療養病棟入院基本料に含まれているものであるため別に算定できない。ただし、「注1」のただし書の規定により、入院料Iを算定する場合については、この限りではない。
(5) 療養病棟入院基本料を算定する病棟は主として長期にわたり療養の必要な患者が入院する施設であり、医療上特に必要がある場合に限り他の病棟への患者の移動は認められるが、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載する。なお、「注1」のただし書の規定により入院料Iを算定した場合においても、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載する。
(6) 療養病棟入院基本料を算定するに当たっては、次の点に留意する。
ア 定期的(少なくとも月に1回)に患者の状態の評価及び入院療養の計画を見直し、その要点を診療録に記載する。なお、入院時と退院時のADLの程度を診療録に記載する。
イ 患者の状態に著しい変化がみられた場合には、その都度、患者の状態を評価した上で、治療やケアを見直し、その要点を診療録等に記載する。
(7) 「注4」に規定する褥瘡対策加算1及び2は、ADL区分3の状態の患者について、「別紙様式46」の「褥瘡対策に関する評価」を用いて褥瘡の状態を確認し、治療及びケアの内容を踏まえ毎日評価し、以下により算定すること。なお、以下において、「褥瘡対策に関する評価」における褥瘡の状態の評価項目のうち「深さ」の項目の点数は加えない当該患者のDESIGN-R2020 の合計点数を「DESIGN-R2020 の合計点」といい、暦月内におけるDESIGN-R2020 の合計点が最も低かった日の点数を当該月における「実績点」という。また、褥瘡の状態の評価の結果を別添1の2の別紙様式2の「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の所定欄に記載し、治療及び看護の計画を見直した場合には、その内容を診療録等に記載すること。なお、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。
ア 褥瘡対策加算1については、入院後若しくは新たに当該加算に係る評価を始めて暦月で3月を超えない間又は褥瘡対策加算2を算定する日以外の日において算定する。
イ 褥瘡対策加算2については、直近2月の実績点が2月連続して前月の実績点を上回った場合であって、DESIGN-R2020 の合計点が前月の実績点より上回った日に算定する。
(8) 「注5」に規定する重症児(者)受入連携加算は、集中治療を経た新生児等を急性期の医療機関から受け入れ、病態の安定化のために密度の高い医療を提供することを評価したものであり、入院前の医療機関において区分番号「A246」入退院支援加算3が算定された患者を、療養病棟で受け入れた場合に入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。なお、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。
(9) 「注6」に規定する急性期患者支援療養病床初期加算は、急性期医療の後方病床を確保し、在宅患者支援療養病床初期加算は在宅患者や介護保険施設入所者等の状態が軽度悪化した際に入院医療を提供できる病床を確保することにより、急性期医療及び在宅での療養を支えることを目的として、療養病棟が有する以下のような機能を評価したものであり、転院、入院又は転棟した日から起算して14 日を限度に算定できる。また、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。
ア 急性期患者支援療養病床初期加算については、急性期医療を担う病院の一般病棟に入院し、急性期治療を終えて一定程度状態が安定した患者を、速やかに療養病棟が受け入れることにより、急性期医療を担う病院の後方支援を評価するものである。急性期医療を担う病院の一般病棟とは、具体的には、急性期一般入院基本料、7対1入院基本料若しくは10 対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料に限る。)、地域一般入院基本料又は13 対1入院基本料(専門病院入院基本料に限る。)を算定する病棟であること。ただし、地域一般入院基本料又は13 対1入院基本料を算定する保険医療機関にあっては、区分番号「A205」救急医療管理加算の届出を行っている場合に限るものとする。また、一般病棟と療養病棟が同一の病院に併存する場合で、当該一般病棟から療養病棟に転棟した患者については、1回の転棟に限り算定できるものとする。
イ 在宅患者支援療養病床初期加算については、介護保険施設、居住系施設等又は自宅で療養を継続している患者が、軽微な発熱や下痢等の症状を来したために入院医療を要する状態になった際に、療養病棟が速やかに当該患者を受け入れる体制を有していること及び厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、入院時に治療方針に関する患者又はその家族等の意思決定に対する支援を行うことにより、自宅や介護保険施設等における療養の継続に係る後方支援を評価するものである。なお、当該加算を算定する療養病棟を有する病院に介護保険施設等が併設されている場合は、当該併設介護保険施設等から受け入れた患者については算定できないものとする。
(10) 療養病棟入院基本料を算定する病棟(「注11」を算定する病棟を含む。)については、「注7」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。
(11) 「注8」の規定は、新型インフルエンザ等感染症がまん延している期間として別に厚生労働大臣が指定する期間において、療養病棟入院基本料の届出を行っている病棟においても、新型インフルエンザ等感染症等の患者が当該病棟に入院した場合には、届出を行った上で、一般病棟入院基本料の例により算定することができるようにしたものであること。
(12) 「注8」の規定により新型インフルエンザ感染症等の患者を入院させる際には、院内感染防止対策を十分に行うこと。
(13) 「注8」の規定により、区分番号「A100」の一般病棟入院基本料の例により算定する場合の費用の請求については、当該保険医療機関に入院した日を入院初日として、以下のとおりとする。
ア 区分番号「A100」一般病棟入院基本料の「注4」に規定する重症児(者)受入連携加算は算定することができない。
イ 区分番号「A100」一般病棟入院基本料の「注5」に規定する救急・在宅等支援病床初期加算は算定することができない。
ウ 区分番号「A100」一般病棟入院基本料の「注10」に規定する加算について、当該病棟において各加算の要件を満たしている場合には算定できる。
エ 区分番号「A100」一般病棟入院基本料の「注12」に規定するADL維持向上等体制加算は算定することができない。
(14) 「注9」に規定する慢性維持透析管理加算は、療養病棟における透析患者の診療を評価したものであり、自院で人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜灌流又は血漿交換療法を行っている場合に算定する。なお、これらの項目については、継続的に適切に行われていれば、毎日行われている必要はない。なお、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。
(15) 「注10」に規定する在宅復帰機能強化加算は、在宅復帰機能の高い病棟を評価したものである。なお、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。
(16) 「注11」の規定により、療養病棟入院料2を算定する病棟に入院する患者について、入院料D、E又はFを算定する場合であって、心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料又は呼吸器リハビリテーション料を算定する場合に、機能的自立度評価法(Functional Independence Measure)(以下「FIM」という。)の測定を行っていないときには、それぞれ入院料G、H又はIの所定点数の100 分の75 に相当する点数を算定する。
(17) 「注11」について、当該病棟に入院している患者であって、心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料又は呼吸器リハビリテーション料を算定する患者に対して、1月に1回以上、FIMの測定を行っていない場合は、入院中の患者に対する心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料又は呼吸器リハビリテーション料について、一日につき2単位を超えるものは、当該入院基本料に含まれるものとする。
(18) 「注11」に規定するFIMの測定に係る取扱いについては、以下のとおりとする。なお、令和4年3月31 日において現に療養病棟入院基本料に係る届出を行っている保険医療機関については、令和4年9月30 日までの間に限り、FIMの測定を行っているものとみなすものであること。
ア 前月までの6か月間に当該医療機関の療養病棟から退棟した患者(イ及びエの規定によって計算対象から除外する患者を除く。)について、以下の①の総和を②の総和で除したもの(以下「療養病棟リハビリテーション実績指数」という。)を各年度4月、7月、10 月及び1月において算出していること。
① 退棟時のFIM運動項目の得点から、入棟時のFIM運動項目の得点を控除したもの。
② 各患者の入棟から退棟までの日数を、回復期リハビリテーション病棟入院料「注1」に規定する厚生労働大臣が定める日数の上限のうち当該患者の入棟時の状態に応じたもので除したもの(回復期リハビリテーションを要する状態に該当しない患者については、180 日で除すること。)
[計算例]
① 前月までの6か月間に50 人退棟し、入棟時にFIM運動項目が50 点、退棟時に80点だったものが30 人、入棟時にFIM運動項目が40 点、退棟時に65 点だったものが20 人とすると、(80-50)×30+(65-40)×20 = 1,400
② 前月までの6か月間に50 人退棟し、そのうち30 人が大腿骨骨折手術後(回復期リハビリテーション病棟入院料における算定日数上限が90 日)で実際には72 日で退棟、残り20 人が脳卒中(回復期リハビリテーション病棟入院料における算定日数上限が150 日)で実際には135 日で退棟したとすると、(72/90)×30 + (135/150)×20 = 42
従って、この例では療養病棟リハビリテーション実績指数は①/②=33.3 となる。
イ 在棟中に一度も疾患別リハビリテーション料を算定しなかった患者及び在棟中に死亡した患者は療養病等リハビリテーション実績指数の算出対象から除外する。また、入棟日において次に該当する患者については、当該月の入棟患者数の100 分の30 を超えない範囲で、リハビリテーション実績指数の算出対象から除外できる。
① FIM運動項目の得点が20 点以下のもの
② FIM運動項目の得点が76 点以上のもの
③ FIM認知項目の得点が24 点以下のもの
④ 年齢が80 歳以上のもの
ウ イの除外の判断に当たっては、除外した患者の氏名と除外の理由を一覧性のある台帳に順に記入するとともに、当該患者の入棟月の診療報酬明細書の摘要欄に、療養病棟リハビリテーション実績指数の算出から除外する旨とその理由を記載する。
施設基準(告示)
施設基準(通知)
4の11 「基本診療料の施設基準等」の第五の三の(1)のイの⑥に規定する「適切な意思決定支援に関する指針」について
「適切な意思決定支援に関する指針を定めていること」とは、当該保険医療機関において、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、意思決定支援に関する指針を定めていることをいう。
4の12 「基本診療料の施設基準等」の第五の三の(1)のイの⑦に規定する「中心静脈注射用カテーテルに係る感染を防止するにつき十分な体制」について
中心静脈注射用カテーテルに係る感染を防止するにつき十分な体制として、次の体制を整備していること。
ア 中心静脈注射用カテーテルに係る院内感染対策のための指針を策定していること。
イ 当該療養病棟に入院する個々の患者について、中心静脈注射用カテーテルに係る感染症の発生状況を継続的に把握し、その結果を「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」の別添1の2の別紙様式2の「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の所定の欄に記載すること。
5 療養病棟入院料1及び2を算定する病棟の入院患者に係る「基本診療料の施設基準等」別表第五の二に掲げる疾患及び状態にある患者(以下別添2において「医療区分3の患者」という。)及び別表第五の三の一及び二に掲げる疾患及び状態にある患者及び同表の三に掲げる患者(以下別添2において「医療区分2の患者」という。)の割合の算出方法等医療区分3及び医療区分2の患者の割合については、次のアに掲げる数をイに掲げる数で除して算出する。
ア 直近3か月における各病棟の入院患者ごとの医療区分3の患者及び医療区分2の患者に該当する日数の和
イ 直近3か月における各病棟の入院患者ごとの入院日数の和
6 「基本診療料の施設基準等」の第五の三の(2)に規定する区分
当該療養病棟に入院する患者については、別添6の別紙8の「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」を用いて毎日評価を行い、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」の別添1の2の別紙様式2の「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の所定の欄に記載すること。その際、該当する全ての項目に記載すること。
7 医療区分2に定める「褥瘡に対する治療を実施している状態」については、入院又は転院時既に褥瘡を有していた患者に限り、治癒又は軽快後も30 日に限り、引き続き医療区分2として取り扱うことができる。ただし、当該取扱いを行う場合においては、入院している患者に係る褥瘡の発生割合について、当該患者又は家族の求めに応じて説明を行うこと。なお、褥瘡の発生割合とは、当該病棟の全入院患者数に占める当該病棟内で発生した褥瘡患者数(入院又は転院時既に発生していた褥瘡患者を除く。)の割合である。
8 「基本診療料の施設基準等」の第五の三の(1)のイの④に規定する褥瘡の発生割合等の継続的な測定及び評価当該療養病棟に入院する個々の患者について、褥瘡又は尿路感染症の発生状況や身体抑制の実施状況を継続的に把握し、その結果を「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」の別添1の2の別紙様式2の「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の所定の欄に記載すること。
8の2 療養病棟入院基本料の注1に規定する中心静脈栄養を実施している状態にある者の摂食機能又は嚥下機能の回復に必要な体制について次のいずれも満たしていること。
ア 内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影を実施する体制を有していること。なお、当該検査等については、耳鼻咽喉科又はリハビリテーション科その他必要な診療科を標榜する他の保険医療機関との協力により確保することでも差し支えない。
イ 摂食機能療法を当該保険医療機関内で実施できること。
ウ 毎年7月において、療養病棟入院料を算定している患者のうち、中心静脈栄養を実施している患者の数、終了した患者の数、嚥下機能療法を実施した患者の数及びアの他の保険医療機関との協力による体制の確保の状況等を様式5の7を用いて届け出ること。
9 療養病棟入院基本料の注10 に規定する在宅復帰機能強化加算について
次の施設基準を全て満たしていること。
(1) 療養病棟入院料1を届け出ている保険医療機関であること。
(2) 次のいずれにも適合すること。
ア 当該病棟から退院した患者(当該保険医療機関の他病棟(療養病棟入院基本料を算定していない病棟に限る。)から当該病棟に転棟した患者については、当該病棟に入院した期間が1月以上のものに限る。以下この項において同じ。)に占める在宅に退院した患者の割合が5割以上であり、その割合は、次の(イ)に掲げる数を(ロ)に掲げる数で除して算出するものであること。なお在宅に退院した患者とは、同一の保険医療機関の当該加算に係る病棟以外の病棟へ転棟した患者、他の保険医療機関へ転院した患者及び介護老人保健施設に入所する患者を除く患者をいい、退院した患者の在宅での生活が1月以上(医療区分3の患者については14 日以上)継続する見込みであることを確認できた患者をいう。
(イ) 直近6月間に退院した患者(第2部「通則5」に規定する入院期間が通算される再入院患者及び死亡退院した患者を除く。)のうち、在宅に退院した患者数
(ロ) 直近6か月間に退院した患者数(第2部「通則5」に規定する入院期間が通算される再入院患者及び死亡退院した患者を除き、他の保険医療機関へ転院した者等を含む。ただし、病状の急性増悪等により、他の保険医療機関(当該保険医療機関と特別の関係にあるものを除く。)での治療が必要になり転院した患者を除く。なお、当該患者の数及び各患者の症状詳記の一覧を、届出の際に添付の上提出する。)
イ 在宅に退院した患者の退院後1月以内(医療区分3の患者については14 日以内)に、当該保険医療機関の職員が当該患者の居宅を訪問することにより、又は当該保険医療機関が在宅療養を担当する保険医療機関から情報提供を受けることにより、当該患者の在宅における生活が1月以上(退院時に医療区分3である場合にあっては14 日以上)継続する見込みであることを確認し、記録していること。
(3) 当該保険医療機関又は別の保険医療機関の病棟若しくは病室(一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)、専門病院入院基本料、救命救急入院料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料又は地域包括ケア病棟入院料を算定するものに限る。)から当該病棟に入院し、在宅に退院した1年間の患者数(当該保険医療機関の他病棟から当該病棟に転棟して1か月以内に退院した患者は除く。)を、当該病棟の1年間の1日平均入院患者数で除した数が100 分の15 以上であること。
10 療養病棟入院基本料の注11 の規定により入院料を算定する病棟については、次の点に留意する。療養病棟入院基本料の注1に規定する病棟以外の病棟であって、療養病棟入院料2の施設基準のうち、別に厚生労働大臣が定めるもの(当該病棟において1日に看護を行う看護職員の数が、常時、当該病棟の入院患者の数が20 若しくはその端数を増すごとに1以上であること若しくは当該病棟において1日に看護補助を行う看護補助者の数が、常時、当該病棟の入院患者の数が20 若しくはその端数を増すごとに1以上であること又は当該病棟に入院している患者のうち、医療区分3の患者と医療区分2の患者との合計が5割以上であること)のみを満たせなくなった場合(いずれも満たせなくなった場合を含む。)に、令和4年3月31 日時点で旧算定方法別表第1に掲げる療養病棟入院基本料の注11 に係る届出を行っていた病棟に限り、算定できる。ただし、別に厚生労働大臣が定めるもののうち、「当該病棟において1日に看護を行う看護職員の数が、常時、当該病棟の入院患者の数が20 又はその端数を増すごとに1以上であること」又は「当該病棟において1日に看護補助を行う看護補助者の数が、常時、当該病棟の入院患者の数が20 若しくはその端数を増すごとに1以上であること。」を満たせなくなった場合については、令和4年3月31 日時点で旧算定方法別表第1に掲げる療養病棟入院基本料の注11 に係る届出を行っていた病棟であることに加え、当該病棟において1日に看護を行う看護職員の数が、常時、当該病棟の入院患者の数が25 又はその端数を増すごとに1以上及び当該病棟において1日に看護補助を行う看護補助者の数が、常時、当該病棟の入院患者の数が25 又はその端数を増すごとに1以上である必要があること。
11 療養病棟入院基本料の注12 に規定する夜間看護加算の施設基準
(1) 当該病棟において、夜勤を行う看護要員の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が16 又はその端数を増すごとに1に相当する数以上であること。ただし、看護要員の配置については、療養病棟入院基本料を届け出ている病棟間においてのみ傾斜配置できるものであること。なお、当該病棟において、夜勤を行う看護要員の数が前段に規定する数に相当する数以上である場合には、各病棟における夜勤を行う看護要員の数は、前段の規定にかかわらず、看護職員1を含む看護要員3以上であることとする。ただし、看護要員の配置については、同一の入院基本料を届け出ている病棟間においてのみ傾斜配置できるものであること。
(2) 夜間看護加算を算定するものとして届け出た病床に入院している患者全体(延べ患者数)に占めるADL区分3の患者の割合が5割以上であること。
(3) 看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制として、次の体制を整備していること。
ア 当該保険医療機関内に、看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に関し、当該保険医療機関に勤務する看護職員の勤務状況を把握し、その改善の必要性等について提言するための責任者を配置すること。
イ 当該保険医療機関内に、多職種からなる役割分担推進のための委員会又は会議(以下この項において「委員会等」という。)を設置し、「看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する計画」を作成すること。当該委員会等は、当該計画の達成状況の評価を行う際、その他適宜必要に応じて開催していること。なお、当該委員会等は、当該保険医療機関における労働安全衛生法(昭和47 年法律第57 号)第19 条に規定する安全衛生委員会等、既存の委員会を活用することで差し支えない。
ウ イの計画は、現状の勤務状況等を把握し、問題点を抽出した上で、具体的な取組み内容と目標達成年次等を含めた看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する計画とすること。また、当該計画を職員に対して周知徹底していること。
エ 看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に関する取組事項を当該保険医療機関内に掲示する等の方法で公開すること。
(4) 夜間看護加算に係る看護補助業務に従事する看護補助者は、以下の基礎知識を習得でる内容を含む院内研修を年1回以上受講した者であること。なお、アについては、内容に変更がない場合は、2回目以降の受講は省略して差し支えない。
ア 医療制度の概要及び病院の機能と組織の理解
イ 医療チーム及び看護チームの一員としての看護補助業務の理解
ウ 看護補助業務を遂行するための基礎的な知識・技術
エ 日常生活にかかわる業務
オ 守秘義務、個人情報の保護
カ 看護補助業務における医療安全と感染防止 等
(5) 当該病棟において、看護職員と看護補助者との業務内容及び業務範囲について、年1回以上見直しを行うこと。
(6) 当該病棟の看護師長等は、次のアに掲げる所定の研修(修了証が交付されるものに限る。)を修了していることが望ましいこと。また、当該病棟の全ての看護職員(アに掲げる所定の研修を修了した看護師長等を除く。)が次のイの内容を含む院内研修を年1回以上受講していることが望ましいこと。ただし、それぞれの研修については、内容に変更がない場合は、2回目以降の受講は省略して差し支えない。
ア 次に掲げる所定の研修
(イ) 国、都道府県又は医療関係団体等が主催する研修であること(5時間程度)
(ロ) 講義及び演習により、次の項目を行う研修であること
① 看護補助者の活用に関する制度等の概要
② 看護職員との連携と業務整理
③ 看護補助者の育成・研修・能力評価
④ 看護補助者の雇用形態と処遇等
イ 次の内容を含む院内研修
(イ) 看護補助者との協働の必要性
(ロ) 看護補助者の制度的な位置づけ
(ハ) 看護補助者と協働する看護業務の基本的な考え方
(ニ) 看護補助者との協働のためのコミュニケーション
(ホ) 自施設における看護補助者に係る規定及び運用
11 の2 療養病棟入院基本料の注12 に規定する看護補助体制充実加算の施設基準
(1) 11 の(1)から(5)までを満たしていること。ただし、(4)のエについては、看護補助者が行う業務内容ごとに業務範囲、実施手順、留意事項等について示した業務マニュアルを作成し、当該マニュアルを用いて院内研修を実施していること。
(2) 当該病棟の看護師長等が11 の(6)のアに掲げる所定の研修を修了していること。また、当該病棟の全ての看護職員((6)のアに掲げる所定の研修を修了した看護師長等を除く。)が(6)のイの内容を含む院内研修を年1回以上受講していること。ただし、内容に変更がない場合は、2回目以降の受講は省略して差し支えない。