Ⅲ-1-⑤|手術等の医療技術の適切な評価
第1 基本的な考え方
1.医療技術評価分科会における検討結果等を踏まえ、医療技術の評価及び再評価を行い、優先的に保険導入すべきとされた新規技術(先進医療として実施されている技術を含む。)について新たな評価を行うとともに、既存技術の評価を見直す。
2.新規医療材料等として保険適用され、現在準用点数で行われている医療技術について新たな評価を行う。
3.外科的手術等の医療技術の適正かつ実態に即した評価を行うため、外保連試案の評価等を参考に評価を見直す。
第2 具体的な内容
1.医療技術評価分科会における検討結果等を踏まえ、新規技術(先進医療として実施されている技術を含む。)の保険導入及び既収載技術の再評価(廃止を含む。)を行う。また、レジストリの解析結果に基づき、内視鏡手術用支援機器を用いて行った場合の食道癌、胃癌及び直腸癌の手術に係る施設基準の見直しを行う。
【診療報酬改定において対応する優先度が高い技術のうち、学会等から医療技術評価分科会に提案があったものの例】
(1)再建胃管悪性腫瘍切除術・全摘(消化管再建を伴うもの)(頚部・胸部・腹部の操作)
(2)小児食物アレルギー負荷試験
(3)放射性同位元素内用療法管理料(神経内分泌腫瘍に対するもの)
(4)在宅ハイフローセラピー装置加算
(5)鼻腔・咽頭拭い液採取
【診療報酬改定において対応する優先度が高い技術のうち、先進医療として実施されているもの】
(1)陽子線治療(※1)
(2)重粒子線治療(※2)
(3)LDLアフェレシス療法
(4)MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法
(5)流産検体を用いた染色体検査
※1:大型の肝細胞癌、肝内胆管癌、局所進行膵癌又は大腸癌術後局所再発に係るもの。なお、いずれも切除不能のものに限る。
※2:大型の肝細胞癌、肝内胆管癌、局所進行膵癌、大腸癌術後局所再発又は局所進行子宮頸部腺癌に係るもの。なお、いずれも切除不能のものに限る。
【廃止を行う技術の例】
(1)椎間板ヘルニア徒手整復術
【内視鏡手術用支援機器を用いて行った場合の手術に係る見直しの例】
改定案 | 現行 |
---|---|
【胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術】 [施設基準] 1 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)の施設基準 (1) (略) | 【胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術】 [施設基準] 1 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)の施設基準 (1) (略) |
(削除) | (2) 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)を術者として5例以上実施した経験を有する常勤の医師が1名以上配置されていること。 |
(2)~(8) (略) | (3)~(9) (略) |
【腹腔鏡下胃切除術】 [施設基準] 1 腹腔鏡下胃切除術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)の施設基準 (1) (略) | 【腹腔鏡下胃切除術】 [施設基準] 1 腹腔鏡下胃切除術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)の施設基準 (1) (略) |
(削除) | (2) 以下のアからウまでの手術を術者として、合わせて10例以上実施した経験を有する常勤の医師が1名以上配置されていること。 ア 腹腔鏡下胃切除術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合) イ 腹腔鏡下噴門側胃切除術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合) ウ 腹腔鏡下胃全摘術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合) |
(2)~(8) (略) | (3)~(9) (略) |
2.C2区分で保険適用された新規医療材料等について、技術料を新設する。
【技術の例】
(新)副腎腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)
- 1 1センチメートル未満のもの 16,000点
- 2 1センチメートル以上のもの 22,960点
3.外科系学会社会保険委員会連合「外保連試案2022」において、実態調査を踏まえてデータが更新された手術について、手術の技術度や必要な医師数等を参考に、技術料の見直しを行う。
参考資料
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中医協資料
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